人生の危機的状況について

人生の危機的状況とは、個人が心理的な危機感に圧倒されている状況です。第三者の感じ方は考慮しません。あくまでも、個人が感じている危機的状況を言います。

その為、同じことを経験したからと言って、危機を感じる強さは個々人によって違います。性格傾向や価値観、欲求水準が個々人で感じる違いの要因と考えられます。

例えば、同じ状況でも住んでいる国が違えば、感じる危機感は違い、時には危機と感じない人もいます。例えば、命に関わる病気になった時に、日本では病院受診して治療を受けて命の危機を感じながら治療のある生活を送りますが、病院がない地域の人は、受診して原因を知ることが出来ない為、いつも通りの生活を続けてやがて動けなくなった時には命が終わることを受入れる、つまり危機的状況だと考えていないかも知れないのです。

危機には種類があります。

カプランは自分の内部成長によって生じる危機と、環境が原因となる危機があると分けています。また、エリクソンは、発達の危機と突発的危機という考え方を言っています。

一番最初の危機は、産まれる時に無事に産道を回旋しながら通り切り、酸素のある環境になった時に肺を膨らませて初めての呼吸ができるかどうかなのです。内部的成長によって生じる危機は、成長発達と共に変化するのですから、生きているだけで当たり前のように危機は訪れているのです。更に、大人しくて手のかからなかった子供が、急に家庭内暴力で親に抵抗することがあります。これは、成長段階で、経験するべき危機をしていないことから、自我の弱さや自立の不十分さにより起こっているとも言われています。

環境が原因となる危機には、個人の生活環境が変化して起こる危機です。家族の病気、事故、死、離別、挫折などの突発的な出来事や、入学、卒業、就職、昇進、退職など成長に伴う予測可能な外的変化も含まれます。

内部的成長に伴う危機と外部環境の変化に由来する危機は、一応区別されていますが、実際には密接に関連する事も少なくありません。

人生のストレスの多い出来事の順位というものがあります(C.スピルバーガー、1983)

1位:配偶者の死、2位:懲役、3位:離婚、4位:肉親の死、5位:けがや病気、6位:結婚・・・

国によって順位は変わります。例えば、アメリカ人では、1位は同じですが2位は離婚となります。

危機に対しての捉え方で重要な点は、危機はそれだけで辛いことではなく、どのように取り組み、乗り越えるかで人間的成長を果たすという視点で危機を捉えることです。

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