怒りの感情と上手に付き合う 2
こんにちは。
生きづらさを手放すCARE屋 髙野彩 です。
前回は、怒りの感情のメカニズムをお伝えしました。
https://m.amebaownd.com/#/sites/670493/posts/editor/v2/6355821
今回は、怒りの感情のコントロールについてお伝えします。
6秒ルールはご存じでしょうか?
前回の怒りのメカニズムで、怒りを感じてからコントロールする前頭葉に伝わるまで、4~6秒程かかるとお伝えしました。つまり、6秒間過ぎれば怒りはコントロール出来るのです。
怒りのコントロールの方法を、以前受けたアンガーマネジメントの講座内容を参考にお伝えしたいと思います。(一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 参照)
アンガーマネジメントとは、1970年代に虐待(アルコール依存症の親を持つ子ども)を受けた子どもたちに、切れやすく怒りのコントロールができずにトラブルを起こしやすい子どもが多かったことから、アメリカで始まった怒りのコントロール方法を学ぶプログラムです。
怒りは自分を守る大切な感情ですから、怒る必要のあることには上手に怒り、怒る必要のない時には怒らないようにすることが、正しい怒りの表出です。
他人を傷つけず、自分を傷つけず、物を壊さないように上手に怒りを表現できることを目指します。
アンガーマネジメントでは3つの取り組みを教わります。
1.衝動のコントロール(6秒ルール)
2.思考のコントロール
3.行動のコントロール
一つずつ、詳しくお伝えしますね。
1.衝動のコントロールでは、6秒を何もせずに過ごす方法を教わります。
反射的に怒りを表出しないことが、安全を守り正しい怒りの表出にとても重要なことになります。
衝動的な怒りを爆発させた後、後悔することはありませんか?また、反射的に怒りながら怒る理由が解らなくなったことはありませんか?
怒りの感情は、一旦は表出か、不要か、を精査することが必要です。
他人を傷つけない為、後悔しない為にも、反射的な怒りの表出は予防したほうが良いのです。
具体的には、怒りを感じたら、てのひら✋に怒りの原因になっていることを指で書く。
または、怒りを数値化して考える。10を最高値として、今の怒り度数はいくつか考える📏。
ぜひやってみてください。6秒過ぎていませんか?
他に、手首に輪ゴムをつけて怒りを感じたら、輪ゴムを引っ張り痛みで怒りの爆発を逃すことをしていたのを海外ドラマで見たことがあります。
痛そうなので、深呼吸をゆっくり6回することのほうがお勧めです。
自分なりの方法を普段から複数決めておき、反射的に出来るように練習しておくことで、反射的な怒りの表出を予防しましょう。
2.思考のコントロールは、なぜ怒りの感情が起こるのかを考えます。
怒りの感情の元、それは自分の持っている「~べき価値観(常識だと思っていること)」から外れている時です。
さらに、価値観が同じでも勘違いをして怒りの感情が出てくることがあります。その原因は機嫌です。機嫌が良ければ許容範囲は広く、機嫌が悪ければ許容範囲が狭くなります。
誰でも思い当たりませんか?
この機嫌という感情に、怒りの感情が左右されないように、怒りの表出境界線を強化し、許容範囲を広く保つことで、機嫌に左右されて怒りを安易に表出することはぐんと減ります。
では、境界線を強化して許容範囲を広げるためには、次の3つの努力をお勧めします。
①価値観が同じ、または少しの違いであれば、怒る必要がないと判断できる許容範囲を広くする努力。
②機嫌という境界線を安定させる努力。
③境界線を人に見せる努力。
この3つの努力を練習して、怒りに対しての許容範囲を広げ、機嫌に左右されない正しい怒りの表出ができるようになりましょう。
3.行動のコントロールでは、原因を
・変えられる原因
・変えられない原因
この二つに分けて考え、対応方法を決めることです。
変えられない原因は、放置する、距離を取る、受け入れる、ことになります。
変えられる原因は、コントロールできる原因だと認識して対応策を考えて原因解決につなげる、時間はかかりますが、冷静に対応できるようになる方法です。
さぁ、ここまで具体的な方法を見て来ました。
次は、もう少し怒りの感情を詳しく考えたいと思います。
怒りには4つの種類があります。
・強度が強い:一度怒り出すと止まらなくなる
・持続性がある:過去にあったことを引きずり、根に持つ
・頻度が高い:頻繁にイライラしていたり、他人につっかかる
・攻撃性がある:誰かを責める、自分を責める、物にあたる
怒りは、不安・辛い・苦しい・疲れ・嫌悪・痛み・寂しい・むなしい・悲しいなどが元になって起こる二次的感情です。
これらの感情は、貯められる量が個々人で決まっていて、上手に表出しないとコントロールが出来ない状態でコップから水が溢れるように怒りの感情に変化して溢れて時に爆発します。コップから溢れる時をコントロールすることはかなり難しいことなので、溢れないようにコントロールすることがとても重要になります。
そして、怒りには性質があります。
怒りの性質、それはとても強いエネルギーを持った感情です。強い性質を持つことは、弱い物を攻撃する性質を持っています。
社会で働いている保護者が社会で受けた怒りの感情を持ち帰ると、弱い子どもにあたります。子供は学校で弱い物にあたります。ペットの場合もあるでしょう。子供が成長すると家庭内の弱い母親など保護者にあたるようになります。保護者はまた、会社で部下などにあたることになります。
そうです。怒りは、連鎖するというやっかいな性質を持っているのです。
そして、持て余すと八つ当たりという行動につながります。
また、DVを受けている母親が、子どもを虐待するようになったり、子どもが親に暴力を振るったり、権力をもっている親と協力して家族内の弱い立場の立つようにするなど、恐怖の連鎖が起こりやすくなります。
DV被害者や虐待を受けた子どものカウンセリングでは、我慢していた怒りの表出をすることが立ち直る為に大変重要だとされています。
怒りをずっと我慢して過ごしていると、解放するまで時間がかかることが多く(筋トレなど運動不足を解消するのととても似ています)、自分を守る方法を学ぶ前に暴力の場に戻ってしまうことはよく知られていますから、怒りの感情を減らすことは身を守る為にもとても重要なことなのです。
方法はいくつかありますが、太鼓を叩くプログラムはとても有効で、安全に短時間に怒りの感情を手放すことができるようになります。
連鎖を断ち切る為に、自分の感情に責任を持って具体的方法の3つで上手にコントロールしながら正しく怒りの感情を整えて健康に過ごすことを心がけたいですね。
物を壊さないとありましたが、これはあくまでも壊してはいけない物を衝動的に壊す行動のことです。
最近はレイジルーム(激怒の部屋)として、物を壊す環境を提供している所があるので、怒りを解決する方法として合っているなら活用することも良いと思います。
怒りの感情は、本来は自分を危険から守ることが得意です。
理不尽なことがあった時に怒りの感情が出ることは、正しく怒りの感情が出ていることになります。また、高エネルギーの感情ですから、頑張るモチベーションや夢を叶える原動力も得意です。
怒りの感情をよく知って、これからも上手に付き合いたいですね。
次回は、アサーションコミュニケーションについての記事を考えています。
最後までお読み頂きありがとうございました。
怒りの感情と向き合うこと、「ねばならない価値観」で自分らしさが解らない など
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